笑う経営 平成25年4月

長寿県の秘密

warau2013042010年の都道府県別平均寿命が厚生労働省より発表された。男性は長野県が1990年よりずっと日本一。女性は1975年から1位だった沖縄県がついに3位に後退したため、トップは長野県に交代することになった。これまで長野県の女性は9位(昭和60年)、4位(平成7年)、3位(平成12年)、5位(平成17年)と推移してきたが、今回初めて1位になった。これで男女とも長野県が日本一である。

一方、最下位は男女とも青森県(47位)だ。青森は昭和60年頃からずっと最下位近くを低迷している。隣の秋田県(男性46位、女性39位)や岩手県(男性45位、女性43位)も平均寿命が短い県だ。

沖縄県(女性)は順位を下げたが、平均寿命が短くなったわけではない。平成17年の86.88歳から、87.02歳と伸びている。つまり1位の長野県(86.48歳→87.18歳)、2位の島根県(86.57歳→87.07歳)の伸び幅が大きかったのである。沖縄県の伸び幅が少なかったことについて厚生労働省は「沖縄県の脳血管疾患やガン、自殺による死亡率の改善が他の自治体と比べて顕著でないことが挙げられる」としている。ちなみに長野県内の自殺者数は2008年より減少傾向にある。2012年は479人で前年より22人減少した。

長野県が男女とも首位になったことについて、県では、ガンや心疾患の死亡率が低いことが平均寿命向上につながったのではと見ている。またその原因として「野菜の摂取量の多さ」をあげている。(県健康長寿課)

確かに長野県の野菜摂取量は男女とも全国一だ。(男性一日当たり379グラム、女性353グラム)ただ沖縄県は、男性は266グラムで45位、女性は249グラムで44位とかなり下位にいる。沖縄県女性は平均寿命トップクラスであるにもかかわらず野菜摂取量は下から4番目の低さ。野菜摂取量が平均寿命に関係しているとは思えない。

また沖縄県は100歳以上の高齢者(人口10万人当たり)人数が多い。男性は15.9人で第3位(第1位は高知県)、女性は119.27人で第1位、男女総合1位。一方長野県は男性が12.93人で第8位、女性が71.96人で第17位、男女総合は18位とパッとしない。長野県は長寿というより死亡率が低い県と言った方がよさそうだ。沖縄県のほうが長寿の人が多そうだ。

免疫学者で新潟大学教授の安保徹先生によると、気圧が低く雨の多い気候は身体にやさしいという。高気圧では空気中の酸素が多くなり、交感神経が刺激される。低気圧では酸素が少なく、副交感神経が優位になる。交感神経は身体を緊張状態に保つため健康にはあまりよくない。一方副交感神経は心身をリラックスさせてくれるので適度であれば病気になりにくい。したがって低気圧の環境のほうが長生きが期待できるといえる。沖縄県は低気圧におおわれることが多いといわれ、長野県は標高が高く空気が薄い分、環境は低気圧と同じなので、両県とも長寿が望めるのだという。興奮しにくくゆったりとしたリズムがいいらしい。

ただし沖縄県の男性は平均寿命79.40歳で29位。平均以下で他県に比べて長寿とは言えない。どういう訳か男女で大きく差がある。これはどのように説明したらよいのだろうか。食生活が関係しているのではないかという説もあるが、沖縄では男女で食生活にそんなに大きな差があるのだろうか。

平均寿命を伸ばす要因が何なのか、いまいちよくわからないが、とにかく日本は世界的に見ても平均寿命がトップの長寿国である。長野県に限らず、今後の課題は単に寿命が長いだけでなく、健康を保ちながら年を重ねる健康長寿を実現させることである。

106歳児の生命力

warau201304-2日本初の重複障害児教育施設「しいのみ学園」の創設者で医学博士、文学博士の曻地(しょうち)三郎先生の講演会が3月3日、まつもと市民芸術館で開催されました。曻地先生は今年107歳になられます。健康長寿の典型的な方です。先生の健康長寿の秘訣が「10大習慣健康法」です。

棒体操というのは曻地先生が考案された健康体操で、会場でも先生の指導のもとみんなで棒体操を体験しました。今でこそ元気で青春の106歳の先生は、小さい時は大変身体が弱かったそうです。心配した母親から「一口30回噛んで食べなさい」と言われました。それを先生は103年守ってきたといいます。語学は最高の脳トレとして、90歳をすぎてから中国語やロシア語を学び始めています。
よく「余生を過ごす」などといいますが、曻地先生に言わせれば余生などとんでもないことです。「人生に余りなどない」が先生のなの信条です。

warau201304-3

企業の健康寿命を伸ばす

NHKの朝の連ドラ「純と愛」で主人公、純がホテル業を通じてお客様を喜ばせようと努力しています。ドラマでは、主人公が様々な困難に遭いながらも「魔法の国」づくりに向かって必死に立ち向かっていく姿が描かれています。

「お客様を笑顔に」が笑う経営の目指す姿です。商売の目的を商品の対価を得るために置いていません。お客様を楽しませ、喜ばせ、笑顔にすることが目的です。笑顔にするのはお客様だけではありません。従業員、取引先、地域住民、そして経営者もです。事業は結局は人と人のかかわりの中で行われるものです。決してお金とお金の世界ではありません。

さて、企業も人の寿命と同じようにできるだけ長く続いて欲しいものです。人の寿命なら一人で100歳を達成できますが、100年企業となると一人の力ではできません。少なくても親子三代にわたって事業を引き継いでいく必要があります。100年企業をつくるには何が必要でしょうか?あなたは何が必要だと思いますか?

瞑想して、100後、あなたの事業を引き継でくれた後継者が目の前にいると想像します。その相手に「この企業が100年続いた理由があれば一つ教えて下さい」と問いかけることで答えを見出す、心理学を応用した方法もあります。やってみてください。

「うさぎとカメ」の童話はほとんど人がご存知だと思います。この話にも長寿企業を作るための一つのヒントが隠されています。

説明するまでもありませんが、あるとき歩くのがノロいとウサギに馬鹿にされたカメは向うの山のふもとまでかけっこ競争に挑みます。もちろんウサギはどんどん先へ行き、余裕でゴールの近くまで来ます。そこでウサギはカメを待っているうちに居眠りしてしまいます。その間にカメは歩を進め、ウサギが寝ている間にゴールしてしまいました。

実際の競争ではゴールする前で居眠りするなんてあり得ません。この話は一体何を言わんとしているのでしょうか?これはあくまでも人生の例え話。実生活ではウサギの行動をとってしまうことがよくあるのです。

何事も油断するな、奢るなという戒めの意味もあるでしょう。カメのように目標に向かって、マイペースでもコツコツ努力すれば雄大きな結果が得られる、決してあきらめてはいけないという教訓も得られます。

でもまだ大事なメッセージが潜んでいます。それは、人はえてして自分のゴールが分かっていないものだ、ということです。この話は、ゴールを見失っている人が多いということを指摘しているのです。自分の目的を見ずに、人と比べて行動している人がいかに多いことか。ゴールをはっきり認識し、そこに向かって進むことが人生に成功する秘訣だよ、ということを教えているのではないでしょうか。

曻地三郎さんは、単に前向きでエネルギッシュな生き方をしているのではなく、きっと生きる目的、人生の目標がはっきりしているからこそ前向きに生きるパワーが溢れ出てくるのでしょう。

This entry was posted in 笑う経営. Bookmark the permalink.