笑う経営 平成25年9月

食べ物がおいしい街

warau201309-1イル・ディーヴォという男性4人組のイギリスのヴォーカルグループがあるの知っています?その向うをはった、イル・デーブというやはり男性4人組の日本のヴォーカルグループがあるのはご存知か。

イル・デーブのメンバーはみんな太っちょオペラ歌手。トップテナーのモッチー、テナーのつっくん、バリトンのあおやん、バスバリトンのコージーからなるユニットです。ついでにピアニストの河原サンも太っちょで、ちなみに5人の中で一番太っている。

7月24日にイル・デーブの松本巡業、違う!、松本公演がハーモニーホールで行われました。私も最前列で聴きました。

平均体重(最近ちょっと減って)九十ンキロ。とにかく文字通り重々しいグループで、身体も声量も重量級。4人ともド迫力の声。

warau201309-2最初は一人一人ソロで歌いました。ソリストだけにそれぞれ魅了されました。特にバリトンのあおやんの声には度胆を抜かれました。今までこんなに響く声を聞いたことがありません。まさにバリバリのトーンです。

そんな4人が一緒に歌うと、ダークダックスやデュークエイセス、ボニージャックスといったハーモニーとは次元が違うハーモニーが。ダークやデュークやボニーは四つの声が溶け込み一つとなって美しいハーモニーを織り成しているのに対し、デーブは4人ともソリストなので、それぞれの声が主張する主張する。我も我もと声を出~す出す。四つの声が同時に迫ってくるんです。とにかく・・・ウルサイんです!(笑) ハーモニーとしてはギリギリかな。でもそれが魅力なんですよ。ソロを四つ同時に聴くという贅沢感が味わえます。

松本公演について彼らの公式ブログには、

物凄く盛り上がりました♪恐らく過去最高(笑)
とにかくこのホールは大きさ、残響、
全てが我々の良さを活かしてくれるホールでした。

とあります。続きは公式ブログで・・・
(参考リンク:Divo Grasso &IL DEVU公式deブログ♪~太メン男性オペラ歌手ユニットによるふくよか日記~ http://ameblo.jp/devudivo/

イル・デーブのメンバーは全員、松本市民オペラやサイトウキネンに係わっていて、ユニット誕生のきっかけが松本だったんです。(詳しくは公式ブログを読んでね) 通常はコンサート当日に集合する彼らですが、7月24日の松本公演は前日に集まりました。その理由とは・・・。ここからが重要。

松本は食べ物がおいしいからというのです。前日松本入りしトンカツを食べ、ドイツビールを飲み、当日の昼、うなぎを食べたそうです。松本でドイツビールと言えば「バーデン・バーデン」です。先日たまたまバーデンバーデンに行った折、聞いてみたらやはり来店されたとのこと。その後はお蕎麦を食べに「蕎麦倶楽部佐々木」へ行ったそうです。ちなみに佐々木さんご夫妻は今回のイル・デーブ松本公演の応援団長です。

warau201309-3ともかく、彼らによると松本はおいしいお店が多いという評価でした。ピアニストの河原サンは「まつか」のうなぎは日本一!と絶賛してました。

もちろん東京にもおいしいお店はいっぱいあります。でも飲食店の数も多い。私見ですが、割合からいったら東京より松本の方がおいしいお店の比率が高いのではないかと感じます。松本の食べ物がおいしいのは、水や野菜などの食材が新鮮でおいしいということもあるのかなと思います。地元にいるとあんまりそういう意識がないけれど、他所の人から見ると、地元の人間には気づかない気づきを与えてくれます。「松本はおいしい」をちょっと意識して、いい意味で自慢し自信を持っていいんじゃないですか。

おもてなし経営

会社経営は、一般的にはお客様が満足すること優先で、社員が犠牲になるのもやむなしとする傾向にあります。しかし第一に社員が意欲的に働けるような環境があってこそお客様によりよいサービスを提供できるわけです。

イル・デーブみたいにメンバーが個性を発揮しつつユニットとしての味も出すという、そんな社員の満足度をより重視した経営を「おもてなし経営」と呼んでいます。おもてなし経営は日本の産業全体を活性化する重要なカギとして民主党政権時から経済産業省が推奨しています。

説明しよう。おもてなし経営といえるためには三つの条件がある。一つは従業員の意欲と能力を引き出そうとしていること。二つ目に地域・社会とのかかわりを大切にしていること。三つ目が、顧客対し高付加価値、差別化サービスを提供していること。

そんな「おもてなし経営」をしている企業を経産省では発掘し公表している。それが「おもてなし経営企業選」だ。平成24年には50社が選出されている。当然のごとく伊那食品工業も選ばれている。伊那食品では以前から、社員にとっていい会社、地域社会にとっていい会社、取引業者にとっていい会社、そして顧客にとっていい会社をめざした経営をしている。

とにかくこの会社、かかわるすべての人が幸せになることを目標にしているのだからすごい。おもてなし経営企業選では、仕事・プライベートを問わずに相談し合える、家族のような関係、社員一人ひとりの主体性と「目的と手段を取り違えない」という考え方、地域の方々への恩返しを目的とした「かんてんぱぱガーデン」といった取り組みが評価されたようだ。(伊那食品の取り組みはこちらで読めます→ http://omotenashi-keiei.go.jp/kigyousen/pdf/13.pdf

やはり昨年選出された静岡県の住宅建設会社は、社員、顧客、をはじめ地域の人も集まって、毎週木曜日、昼休みの1時間を使って行うバーベキューを行っているという。ねらいは参加者間のコミュニケーションを活性化することと、リーダーシップ、気遣い、創造力など、社員の隠れた才能や資質を発掘することにある。

ユニークなのは「お客様のうれし涙の数」を指標にしている点だ。普通は売上高や利益なのだが、お客様に「年間100回の涙」を流させるを目標にしている。施主のご夫婦が手紙を読み合う機会をつくるなど、さまざまな仕掛けで泣かせ、ここ数年目標は達成しているという。

warau201309-4泣かせる仕掛けもさることながら、根本的には三つ目の条件である顧客に提供する商品・サービスの満足度が高いのだろう。感激、感動レベルの価値を提供してくれるからお客様はうれし涙を流す。
この会社が提供しているものは住宅だが、そこにはもちろん付加価値がついていて、本当に提供しようとしているものは「幸せの実感」なのだ。「届けたいのは家ではなく、その先にある“幸せの実感”」それがこの会社の理念でもある。

また「119対応」というルールがある。これは、自分たちが設計した家からSOSがあれば1時間19分以内に必ず社員が駆けつけるというアフターサービスだ。たとえ新規の見込み客と交渉中であっても、このルールが優先される。(説明終わり)

経産省では引き続き平成25年度もおもてなし経営企業を募集しています。応募方法は9月上旬、おもてなし企業選のホームページにて公開予定です。(参考リンク http://omotenashi-keiei.go.jp)また昨年選出50社の概要レポートもこのサイトで読むことが出来ます。
(参考:経済産業ジャーナルMETI6・7月号。ダウンロードはこちらから→
http://www.meti.go.jp/publication/data/newmeti_j/meti_13_06_07/book283/book.pdf

This entry was posted in 笑う経営. Bookmark the permalink.